開店早々将来が危ぶまれるバングラ系ビリヤニ屋
西川口駅西口のきらびやかなチャイナタウン方面から陸橋下をくぐると、人影疎らな住宅街が広がる。かつてこの田畑が広がっていた当時から建っていたであろう地主様の邸宅も散在しており、昭和後期から時間が止まった一帯だ。その一角の朽ちかけた木造アパートの1階。かつて存在していたであろうスナックの跡地に数カ月前、異色な看板が掲げられた。
看板には「ビリア|ニ」(ママ)の文字。聞けばバングラデシュ人が開いたビリヤニ(インド亜大陸の炊き込みご飯)屋だという。看板を発見してからというもの、なかなか開店する兆しはなかったのだが、ついに9月7日に営業を開始した。
テーブル3卓にカウンターという小さな店内はインド人の料理人が切り盛り。マトンビリヤニ、チキンビリヤニなど基本的に米料理がメニューの中心だ。アジアの国旗が並ぶが、ここにはフィリピンのアドボ、マレーシアのラクサ、ネパールのモモの類いは置いてないので、看板に若干偽りがある。土曜日の昼下がりに友人と連れ立って店を訪れ、マトンビリヤニセット(1,200円、サラダ、ドリンク付)を注文した。
なかなか強気な値段設定ではないか。東京都内なら特に驚きもしないが、ここは物価感覚がおかしい西川口だ。中国店でワンコインで充実ランチが食える中、その倍額だ。味は普通に旨いが、南アジアの方々のように、カレーにだけ鋭く研ぎ澄まされた味覚は持ち合わせていないため、陳腐な表現しかできない。ともあれ、割高感は否めない。
しかも、先に述べたような辺鄙過ぎる立地である。
〽ああーこの場所で、この価格~ (♫暁に祈る 風)
そうそうディスってないで、宣伝もしておかなければ。さもないと、中華だらけのNKにあって、せっかくできたビリヤニ屋の将来が危ぶまれるではないか!。まあ、本格的なビリヤニを食いたければ、ヤシオスタンにでも行ったほうがよさそうな気もするが、ご近所のマサラ系同志諸君は是非の来店を。以下はお品書き。今後は2階部分にハラル食品売場を設ける壮大な構想もあるそうだから、乞うご期待。
【西川口NOW】近所を警邏してみた
★パブジュンコ、看板を取り替えたらしいが、なぜこうなる?電話注文の落とし穴?
★「中華料理天龍」の外壁が脆くも崩壊。周囲が立ち入り禁止になっている。
★当地3カ所目のタピオカ店がソフトオープン。しかも「貢茶」のパクリ疑惑濃厚。この店は若干値段を下げてきたが、もう飽和状態だと思うんだけど。タピオカイクラ丼出すぐらいじゃないと、もはや勝算はなかろう。
★駅からかなり離れた路地に居抜きでまた中国居酒屋が出来ていたが、特徴のない店。案の定閑古鳥。
予言されていたバインミー店の登場
西川口は何も中国系の方々だけでなく、アジア系の外国人に必要なものがいろいろとそろっているため、ここ1-2年でベトナム人も急速に増えている。ベトナム人は全国的にも増えており、そうした動きと軌を一にした動きとも言えるのだが、いずれはベトナム店が増えると予想されていた。
昨年ベトナム料理店とベトナム人向けカラオケ店ができ始めたのに続き、直近ではバインミー店、そしてフォーなどオーソドックスなベトナム料理を出す料理店がオープンした。バインミー店の店名は「
バインミーはベトナム風のバゲットサンドで、都内にも店は散見されるようになった。メニュー的には参入障壁が低い。
その店は多国籍の店が入居して、西川口でも屈指の混とんを誇る「MFハイツ」の1階通り抜け部分。元は中国系カラオケ「七福」が入っていた場所だ。
スナック向けの物件で窓がないのだが、内部を照明を明るくして、白を基調とした店内はさわやかな印象。感じのいい若いベトナム人男女が応対してくれる。価格帯はバインミー単品各種530円から。
開店前に立ち話しただけだが、詳細は改めて取材。
天亀そばを偲ぶ
西川口駅西口を出ると、左手に安い飲み屋が軒を連ねる路地がある。その入り口の角で40年余りにわたり、幾多の通勤客、酔客を見つめてきた立ち食い系そば屋「天亀そば」が3月31日で閉店するという悲報が届いた。筆者はあいにくタイで越冬・花粉症疎開中であり、その最期を看取ることができないのは痛恨の極みだ。
酔客の灯台として西川口駅西口のバスプールを照らし続けた天亀そばと出会ったのは、西川口に中古マンションを購入して引っ越してきた2004年ごろのことだ。かれこれ15年間の付き合いというわけだ。当時は昼夜分かたず、勤務時間の一定しない仕事をしていたが、午前様でも夜勤明けでも24時間営業のこの店に立ち寄り、温かいそばを啜ることは一瞬の安らぎであった。
決して小綺麗な店ではない。昭和には至るところに見かけたL字形のカウンターを囲んで、元は風俗街として名を馳せた西川口の駅を行き交うさまざまな人たちが一杯のかけそばを媒介として交差する。冒頭に立ち食い「系」と書いたのは、店構えはどうみても立ち食いそばなのだが、狭い店内に一応6-7席の丸椅子がびっしりと設えてあるからだ。いっそ立ち食いにすればよいのにと思うのだが、デブ同士が隣り合うとむさ苦しいことこの上ない。
決して特筆すべき旨さではない。かけそばが210円という値段では誰も文句など言わない。長年200円で最近値上がりしたとはいえ、奇跡的な安さに変わりはない。それでも出汁は大量の削り節でちゃんと取っているし。天ぷらはちゃんと店で揚げている。個人的にオススメは春菊天だ。朝には卵入り天ぷらそばにいなり寿司2ケが付くという、マクドナルドのバリューセットも太刀打ちできない、まるで東海地方のモーニングかと思わせるコストパフォーマンスを誇る「朝食サービスセット」(370円)が独身サラリーマンに活力を与えていた。
決して店員の愛想が良いわけでもない。従業員は入れ替わりこそしたものの、初老の男性数人と小太りのおばちゃんのシフト勤務だ。店外では毎朝、ネギ切りカッターをフル稼働させ、おばちゃんが大量のネギを捌いていた。寒い冬の日には従業員がそばを茹でる湯に缶コーヒーをぶち込んで加熱し、何食わぬ顔でそばも茹でていたことは不問に付そう。
決して客層が良いわけではない。化粧の奥にも疲労困憊ぶりが見て取れる水商売帰りの女性がいたかと思えば、終電帰りのサラリーマンは注文したそばに手を付ける前にカウンターに突っ伏して寝込んでいる。その安さゆえか、困窮しているであろう外国人留学生の姿も多かった。かつてカウンターにはプラスチック製のごますり器が置いてあって、自由に使えたものだが、「置いても置いても持っていかれる」と撤去されてしまったのは数年前だ。
たかがどこの駅前にもありそうな立ち食い系そば屋だと言ってしまえばそれまでだ。しかし、近年急速にチャイナタウン化が進む西川口駅前にあって、敢然と日本的な何かを守り続けてきた天亀そばがその暖簾を下ろすというのは、時代の節目なのだろうか。そこには「富士そば」にも「小諸そば」にもない何かがあった。閉店の報に感傷的になる西川口住民はきっと自分だけではなかろう。亀は万寿だというが、ついに天に召されるその時は来た。
おことわり 致歉启事
わざわざアクセス頂いた皆様、ブログ主は毎年12月ごろから4月ごろにかけ、タイに滞在しているため、本ブログ向けの取材ができず、更新をお休みしています。ご了承ください。
大家好!由于本部落格的版主从12月到4月之间在泰国避寒,人不在西川口,无法前往实地采访。恕我暂停更新。
孫悟空の大型火鍋店が觔斗雲に乗って登場 「大聖火鍋」12月15日オープン
西川口駅西口を出て、右手はかつて風俗街の中核を成していた「西川口一番街」。その一角にまたぞろ大型有望火鍋店が12月15日にでっかくオープン。
雑居ビルの3階に巨大看板で華々しくオープンしたのは本格四川重慶火鍋「大聖火鍋」。大聖は「西遊記」の主人公、斉天大聖(孫悟空)から取ったらしく店内にも悟空のレリーフが飾られている。
とはいえ、西川口で火鍋店を開業するのは四川人というわけではない。この店も経営者は黒竜江省出身だ。
特筆すべきはスープの選択肢が多いこと。麻辣スープと白湯スープのほか、椎茸だしの香り高いきのこスープが基本。そして、2つの味を楽しめる鴛鴦(ユアンヤン)系の◇麻辣きのこスープ(鴛鴦菌湯鍋)◇麻辣白湯スープ(鴛鴦白湯鍋)。鍋が九つに仕切られた特製九宮格麻辣スープ(特色九宮格麻辣鍋)の計6種類から選択可能だ。本日はきのこスープで豚バラと野菜、きのこ各種を頂いた。
IH
たれは特筆すべきものこそないが、基本的なチョイスは完備している。火鍋はIH調理で、個室も含め全50席ほど。先日の「酔羊名坊」とは違い、店員は日本語レベル良好で、ちゃんとハイボールも一発で出てきたので心配無用。